2008年7月に香住町を訪れた際に余部鉄橋を見た。撮影スポットともなっている鉄橋は、列車事故の記憶や雑誌やネットなどではよく見かける風景だが、初めて訪れた際の壮大な構造物と景観を目の当りにし、橋の架け替えなどについて興味をもったのがきっかけでコンペに応募した。
コンペは架け替え後の既存鋼材の再利用についてのアイディアコンペ。アイディアコンペの存在を知ったのは締め切り直前だったが、初めて訪れた際に感じた「永年愛され続けてる景観」を、人の手に感じられることのできるよう身近なもので、新しい橋梁と過去の橋梁がつながるものとして、考え、オブジェ部門では橋梁から約500mまで伸びる長さ1kmの「空の駅へいざなう灯りの街灯~空あかり」を提案した。
街の灯は、想いを天空へいざなう空あかり
余部鉄橋の鋼材でつくられた街灯は、人々の想いが幾重にもつながり、歴史や文化そして未来への希望へとつながる灯りとなる。
優秀賞 「空あかり」 地域振興賞 「AmarubeMemorialストラップ」
もう一つの部門のグッズ部門では、個人所有可能な歴史的土木遺産としての「AmarubeMemorialストラップ」を提案。鋼材をそのままスライスした物を丹後縮緬などでストラップにした物だ。シリアルナンバーをつけることで観光資源として活用し観光客の呼び込みに活用するという趣向。
コンペ案提出後、一時審査の通過の連絡があり、11月22日に香住文化会館でプレゼンテーション発表があった。あまり来ることもないだろうと思っていた際にこのような形で訪れるとは思ってもいなかったので、プレゼンテーションではこの地に再訪できたことの感謝の意を伝えたかったのだが、暗いイメージの街へ人が来るようにとか、明るくしよう!などとの発言を連発してしまった。
※交通の便が悪いので、民宿「かや荘」さんで一泊お世話になった。カニの季節柄ビジネス用での宿泊場所はなく、しかも一人一泊の不審者にもかかわらず快く予約をしていただいた。帰りにはお土産もいただきました。
二次審査は、169名の応募者から一次選考されたオブジェ部門12名、グッズ部門13名により、それぞれ3分間のプレゼンテーションが行われ、審査員の審査となった。最年少の佐藤洋平君の「余部鉄橋をわすれたくないから」という言葉には心打たれた。
授賞式が終わり、餘部へと急いだ。時刻表では1時間に1本の列車しかない。香住からのアクセスも町営バスの削減から一日に1便というような状況だ。プレゼン会場で購入した限定物の冊子「余部鉄橋」には、余部写真コンテストの写真や鉄橋の美しい写真とともに、詳細なデータや図面が掲載され、改めてアイディアコンペに応募された作品を思い返すと、このアイディアコンペの結果がまちの活性化や景観の継承にどのような形で取り入られるのか不明だが、応募者全員の熱い想いを、ぜひ、街の資源として活かしていただきたいと感じた。
オブジェ部門受賞者
最優秀賞 「展望台」 今西 勝彦
優秀賞 「空の駅へいざなう灯りの街灯~空あかり」 佐藤 達喜
特別賞 「大きなブランコ」 大塚 亮
「建築物の構造材として利用」 勝山 賢一
地域振興賞「 案内塔」 米澤 照夫
「鉄橋部材の道しるべ」 勝俣 圭右
キッズ賞 「あまるべてっきょううんてい」 佐藤 洋平
グッズ部門受賞者
最優秀賞 「未来への橋渡し」 佐藤 晴一
優秀賞 「餘部鉄橋Centuryフォトスタンド」 片岡 孝夫
特別賞 「応接テーブル”Bridge”」 岡 昌史
「ペンコイドプレート」 米澤 照夫
地域振興賞 「AmarubeMemorialストラップ」 佐藤 達喜
「リベットの置物」 赤井 祐斗
関連記事
香住町
余部鉄橋のご案内
http://www.town.mikata-kami.lg.jp/cgi-bin/odb-get.exe?WIT_template=AC020000&Cc=7d511b0f1f0e34b
神戸新聞 NEWS 2008/11/23
余部鉄橋が展望台に? 撤去後の鋼材、アイデア続々
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0001580605.shtml
JR山陰線余部鉄橋(香美町香住区)の架け替え工事に伴い、撤去される鋼材の活用を考えるアイデアコンペが二十二日、同区の香住文化会館であった。思いのこもった提案発表に、会場から拍手が送られた。(大盛周平)
余部鉄橋は一九一二年に開通した。鋼材をやぐら状に組むトレッスル式の鉄橋としては国内最大級。二〇一〇年にコンクリート橋に架け替えられることが決まっている。
アイデアは今後の鋼材活用に生かそうと、県や地元自治体、JR西日本などでつくる委員会が募集。オブジェ、グッズ、展示・保存、研究の四部門に、全国各地から計百六十九点が集まった。
この日はオブジェとグッズの二部門を審査。書類選考を通過した計二十五点の応募者が、巨大ブランコや街灯、本立てなど独自のアイデアをそれぞれ発表した。
審査の結果、オブジェ部門では鉄橋をそのまま利用した「展望台」の今西勝彦さん=香美町香住区、グッズ部門は部品などを入れた「缶詰」の佐藤晴一さん=名古屋市=がそれぞれ最優秀賞に選ばれた。
【写真:独創的な作品を発表する応募者=香住文化会館】
日本海新聞
ローカルニュース 2008/11/23
余部鉄橋再利用策コンペ最優秀賞 オブジェ部門今西さん
http://www.nnn.co.jp/news/081123/20081123010.html
架け替え工事で撤去されるJR山陰線・余部鉄橋の橋脚、部材などの再利用策を募ったアイデアコンペの審査会が二十二日、兵庫県香美町内で開かれた。オブジェ部門は鉄橋のミニチュア版を作り展望台として活用する香美町職員、今西勝彦さん(37)=同町香住区上計=の作品、グッズ部門は百年間鉄橋を支えた鋼材の切れ端などを缶詰にする建築家、佐藤晴一さん(56)=名古屋市=の作品がそれぞれ最優秀賞に選ばれた。
アイデアは県や地元関係者、学識経験者らでつくる「余部鉄橋撤去鋼材活用方策アイデアコンペ委員会」(委員長・岡田昌彰近畿大理工学部准教授)が全国公募。オブジェ、グッズ、展示・保存、研究の四部門に寄せられた百六十九作品の中から書類審査を通過したオブジェ、グッズ各部門の入賞二十五作品がこの日の審査対象となった。
審査では応募者本人によるプレゼンテーションを加味し、歴史の継承、地域振興、実現性などを評価。両部門で入選十三作品を決めた。
プレゼンは一人三分の持ち時間で、鉄橋に対する熱い思いを込め、アイデアの趣旨を説明。オブジェ部門で余部鉄橋の形をした固定遊具雲梯(うんてい)の設置など佐藤洋平君(香住小二年)の子どもらしい提案もあった。
オブジェ部門最優秀作品は、現橋に近い形の歩いて渡れる展望台(高さ十三メートル、幅四十メートル)をイメージ。今西さんは「日本海を望む公園などに設置できれば」と考えている。またグッズ部門最優秀賞を受賞した佐藤さんは「修学旅行生への土産物が発想の原点。缶の中に封印された鉄橋が、子どもたちの手元で未来へと継承されていく。子どもたちに夢を与えることができれば」と話していた。
入選作品は来年度以降、実現に向けて検討される。入賞作品は二十四日から、同町役場で展示公開される。
【写真:最優秀賞を受賞した今西さん(左)と佐藤さん=22日、香美町香住区香住の香住文化会館】
朝日新聞 asahi.com-マイタウン兵庫 2008/11/24
余部鉄橋の廃鋼材活用コンペ
http://mytown.asahi.com/hyogo/news.php?k_id=29000000811240002
1912年開通の余部鉄橋は老朽化し、2年後の2010年秋に新しいコンクリート橋に架け替えられる。
コンペは明治からの歴史を刻む鉄橋を歴史・文化遺産として活用しようと、県やJR西日本、有識者などでつくる委員会が企画した。
9月中旬から1カ月余り公募し、全国から169件のアイデアが寄せられた。この日は書類審査を通過した25件の発案者が、審査員にプレゼンテーションをした。
今西さんは橋脚と線路を使った「展望台」を提案した。「一度歩いて渡って、鉄橋からの絶景を見てみたい」という幼い頃からの夢を消えゆく鉄橋に託した。
佐藤さんのアイデアは、鋼材の端切れやボルトなどの部品を詰め込んだ缶詰。「夢を封印しておけば、いつまでも大事にしてもらえると思う」と話した。また、最年少の参加者で、地元の香住小学校2年、佐藤洋平君(7)はオブジェ部門で、橋脚を使った「うんてい」を発表した。手書きのイラストを使い、「みんなに余部鉄橋のことを忘れてほしくない」と3分間のプレゼンを終えると、会場からは大きな拍手がおくられた。

